夜を明かすほどチューリングに惹かれたのは、難易度の高い壁にとてつもないスピードで挑んでいける場所だから。
ドワンゴ、エクサウィザーズでの広報を経験した阿部さん。チューリングに入社した理由は「知れば知るほどハマってしまったから」と話します。阿部さんのこれまでの経歴や、チューリングに惹かれた理由、これまでの成果と今後の展望について聞きました。
広報としての原点となったドワンゴでの仕事

ーー阿部さんのこれまでの仕事について教えてください。
大学院在学中に起業し、その会社では主にGPS関連のソフト開発やコンサルティング業務を手がけていました。その仕事を3~4年経験した後、動画プラットフォームを運営している会社で働いてみたいと思い、ドワンゴに入社しました。実は楽器を弾くのが趣味で、即興で音を合わせるジャムセッションを世界中の人とできるようなサービスを開発してみたいと思っていたんです。そのために、まずは動画プラットフォームの仕組みを知ろうと思い、ドワンゴを選びました。
入社後はマーケティング/プロモーション部で働き、音楽系・Vtuber系の番組やCM制作、イベントのプロモーション、プレスリリースの執筆など関連業務を一通り経験しました。大学院で論文を書いていたので長い文章を書くことには慣れていましたが、プレスリリースなどコンパクトに言いたいことを伝える必要があるので、そのアンラーニングには苦労しましたね。ただ、写真や動画の撮影・編集をするのは好きだったので、使用する素材を自分でつくる経験ができたのは楽しかったです。
ーードワンゴの仕事で何か印象に残っているものはありますか?
ドワンゴは「ニコニコ動画」や「ニコニコ生放送」といったサービスの会社として知られていますが、実はイベントにも力を入れています。「ニコニコ超会議」という2日間で十数万人が集まるイベントがあり、その出張版として全国各地で行われる「町会議」というイベントがあります。そのイベントのメイン担当になったときは、毎月のように全国出張してイベントを運営していました。
このイベントを通して学んだことが社内のメンバーと関係性をつくることの大切さです。私は前例をあまり気にしないタイプで、広報として各地の県庁で記者会見を実施してメディア向けの説明をするだけでなく、他のメンバーと一緒にイベント会場の設営をしたり、イベント後の打ち上げでも朝まで飲みながら振り返り会をしたりしていました。
そのおかげで社内のメンバーと良好な関係性をつくれたんです。良好な関係性ができると、社内のメンバーに「メディアから取材依頼が来ているんですけど、お願いできますか?」と依頼したときに、タイトなスケジュールでも受けてもらいやすくなりました。広報の仕事で大事なことは他部署のメンバーと関係性を作ることだと気付きました。
エクサウィザーズで上場に関わる広報を経験。

ーードワンゴの次に、AI関連企業のエクサウィザーズに転職されています。エクサウィザーズでは、どんな仕事をしましたか?
当時のエクサウィザーズは上場直前のフェーズだったこともあり、上場関連の広報を経験しました。記者会見の準備から当日の司会、社長のテレビ出演やインタビューなどのメディア露出獲得、会社のWebサイトのリニューアルなどが例です。また、提供サービスの領域がAI×(ロボット・カメラ・HR・金融・介護・医療、教育)というようにとても幅広かったので、この4年間で多様な知識を身につけることもできたと思います。
ーージャムセッションサービスを作る夢は、今もあるんですか?
実は、段々とジャムセッションのサービスは「自分がやらなくても誰かがそのうち作るだろう」と思うようになっていきました。当時、自分が作りたかったサービスは、人間やAIと気軽にジャムセッションができて、レコーディングやマスタリングはもちろん、著作権に関する手続きまでも一気通貫でできるというものでした。しかし、ここ数年でAI技術が飛躍的に進化していることもあり、いずれ「誰かがサービスを作ってくれる」と思うようになりました。
そこから、今後の自分のキャリアをジャムセッションに捉われず、もっと自由に幅を広げて考えてみたくなったんです。ドワンゴ、エクサウィザーズと2社の経験を通じて、自分の好きなことはすごい人たちのすごい技術に触れながら理解して、それを誰かに話すことだと実感したんですよね。
チューリングを知って、夜通しコンテンツを見続けて翌日に応募した
ーー次のステップとして、チューリングを選んだのはなぜですか?
転職を考え始めたのは2023年の秋ごろでした。最初は宇宙系の企業などを転職先として探していました。そんなある日、「すごい会社を見つけた」と同僚からメッセージがきたんです。その会社がチューリングでした。
プレスリリースなどのコンテンツを読んでいくうちに、チューリングの挑戦の難易度、マイルストーンの実現のスピードに驚きました。さらに、メンバーの優秀さや多様さにも圧倒され、調べれば調べるほどチューリングにハマってしまったんです。気付けば夜通しかけて、プレスリリースや記事、動画などのコンテンツをすべて見ていました。
ーー阿部さんとの面談はよく覚えています。チューリングのことをなんでも知っているし、広報の課題や改善提案もしてくれました。チューリングのもっとも惹かれた点はどこでしたか?
CxOの3人がそれぞれ違った強みをもっていることです。CEOの一成さんは日本でもっとも有名なAIエンジニアの一人です。CTOの青木さんは海外でトップレベルの自動運転技術について学んでいる。COOの田中さんはメドレーでIPOを牽引しました。会社として必要なパーツが、必要以上の能力で揃っていると思いました。
現在のチューリングがすべきことは国内外のBtoBやBtoG、採用に向けた発信がメインですが、いずれはBtoCにもPRの幅を広げていく必要があり、時期は少し先ですが上場に向けた広報もする必要もあると思います。今後のチューリングの成長に向けて、前職の2社で培った知見やノウハウなどを還元できる環境だと思ったんです。
ーーチューリングの入社前後でギャップはありましたか?

チューリングのカンパニーデックに「いいやつになろう」という言葉があります。入社したら、思った以上にみんながいい人たちでした(笑)経営陣3人もみんな明るい(笑)
事前の想像としては、社内コミュニケーションがスピーディーでビジネスライクな感じなのかと思っていたのですが、全然違っていたんです。例えば、Slackのカスタム絵文字も褒めるものが多く、そのような会話が毎日見られます。
また、社内で飛び交うコミュニケーションの領域が思った以上に広く深く、難易度が高いことも驚いた点です。まだ世の中に存在しない完全自動運転の実現という非常に高い山を目指し、そこに向かって優秀なメンバーたちが日々試行錯誤していることも実感します。
ーー開発のスピード感がすごいですよね。
スピードが早いからこそ、半年前のこともチューリング社内では一昔前のような感じです。2023年のJapan Mobility Showに展示した『Turing Falcon』に関しても、社内にいるとかなり昔の出来事のように感じます。半年というと企業によってはほとんど変わっていなくてもおかしくない期間ですが、チューリングでは半年で全然違う会社に進化しています。
まだまだ小さなチームで、「人が足りない」「エンジニアが足りない」と良く耳にする会社ですが、よくこのスピードで開発・事業が進んでいるなぁと本当に感心しています。
ーーメディアの人から、チューリングはどんな感想をもたれていますか?
よく耳にするのは「面白い」と「頑張ってほしい」という声です。チューリングが挑戦している完全自動運転はさまざまな技術が関連していて、優秀なエンジニアが本気で開発しているので、深掘りして調べていくほど面白いと言われます。
そして、「頑張ってほしい」はどんな企業でも言われる言葉ではないので、そういってもらえることはとても大事です。先日、中国のテレビ局と話す機会があったときに「日本のように大手の自動車会社が何社もある環境で、スタートアップであるチューリングが完全自動運転を実現しようとしているのはすごい」と言われました。
大手企業が多い業界では、技術革新は大手が実現するだろうという雰囲気になりやすいので、チューリングは特徴的で面白い会社だ、と。「中国には自動運転のスタートアップは多く頑張っているけど、日本ではチューリングにも頑張ってほしい」とエールをもらいました。
チューリングのブランド価値をあげて、世界で認知される企業にしていきたい

ーー社内から「阿部さんが来て、チューリングの広報は進化した」という声を聞きます。注力したことや成果について教えてください。
広報の専門的な経験や知識がないと、メディア戦略を考えることはなかなか難しいです。これまでチューリングは専任の広報がいない中で、全員でカバーしながら広報をしてきました。これは本当にすごいことですし、会社の良いカルチャーだと思っています。
私のような専任者がいるという意味で違いが出たとするならば、2024年4月の資金調達の発表に関する広報です。どんなメディアで、どういったメッセージを打ち出すかを計画して準備し、国内外のメディアで大きく取り上げてもらうことができました。
国内では日経本紙、日経ビジネス、東洋経済のようなビジネスメディア、海外ではBloomberg、日経アジア、ジャパンタイムズなどに取り上げていただきました。
ーー広報として、今後やっていきたいことを教えてください。
完全自動運転が世の中に与えるインパクトを正しく伝えていきたいと思っています。一般的にイメージされる完全自動運転は「手を使わなくても運転できる」というくらいですが、実際は朝起きてから寝るまでの生活がガラッと変わるくらいのインパクトがある。移動手段が馬車が車になったくらいの大きなインパクトがあることです。
また、企業のブランド構築は採用力につながるのはもちろん、競争力の源泉になります。短期的には2025年12月の「Tokyo30」でチューリングの持つ技術力を伝えていく必要があり、中期的には世の中を変えていける日本発の自動運転のスタートアップ企業としてブランディングをしていきたいです。(Tokyo30とは、2025年12月に東京で30分間、人間が一切介入しない自動運転の実証実験を行うこと)。
目標としては、2030年までにインターブランドの「Best Japan Brands」というランキングでTOP100に入りたいですね。ランクインしているのは大企業ばかりですが、スタートアップも一部ランクインしています。なかなか難易度の高い目標ですが、戦略的にブランドを構築すれば可能性があると考えています。
広報については長期的に計画を立てていて、2030年までを大きく3つに区切った広報ロードマップを作成しました。
2025年12月までにチューリングは日本を代表する自動運転実現の会社という地位を確立し、27年12月までにはグローバルなポジションも確立していきたいです。そして、私たちは「We Overtake Tesla」というミッション掲げているので、イーロン・マスクと張り合えるように海外メディアの露出も増やしていきたいと思っています。
2030年には完全自動運転の社会普及や標準化の中心にチューリングがいる状態を目指します。最終的に、一成さんがいうようにAIの力で日本車を強くする会社として、日本のヒーローのような存在になり、世界中に知れ渡っている会社にしていきたいです。
そんな目標を達成するためには私一人では足りないので、広報メンバーを増やして適材適所の広報チームを作れたらと思っています。
HR立石の編集後記vol.17

※チューリポの写真のほとんどは阿部さんがこんな感じで撮影してくれています
Xでいきなりピアノを弾く動画をアップしたり、写真を撮影したり、かっこいい動画を作成したりと守備範囲が広い阿部さん。マルチな才能の背景を垣間見たインタビューでした。いろんなことに好奇心を持ち、貪欲に物事を進めるスタンスに加え、事業や組織を愛する姿勢を持つ阿部さんだからこそ、チューリングがより魅力的に広報されていくのだと感じています。いつか社内イベントで阿部さんのピアノを聞かせてください!
ライター:久保
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